アンリ・エー 統合失調症 臨床的精神病理学的研究

著者・編者:秋元波留夫 監修 藤元登四郎 訳

判型・価格・発行年: B5変型判 392頁 本体価格6,800円 2007年

内容紹介:

発表年代順に集めて編集したエー研究の集大成!
エーはすでに1934年、弱冠34歳の論文で、schizophrenieを次のようにはっきり定義している。
「早発性痴呆と名づけられる一群の事象の核そのものを特徴づけるのは、結局は単なる心因論では説明のできない不調和状態、精神内界失調状態なのである」(第4章60頁)。

・・・・このように考えると、統合失調症という日本語はまさしくエーが早い時期から主張していた概念を示している。(訳者あとがきより)


目次:

序文 秋元波留夫
日本版への序文
緒言
  Ⅰ 1926年 オイゲン・ブロイラーの統合
  Ⅱ 誇大パラフレニーとパラノイド痴呆
  Ⅲ 慢性流行性脳炎による統合失調症型の幻覚状態と幻覚の問題
  Ⅳ 早発性痴呆および統合失調症状態に関する問題の現時点における位置付け
  Ⅴ パラノイド性および緊張病性思考のいくつかの側面
  Ⅵ 「早発性痴呆」に関する疾病学的考察
  Ⅶ 妄想の精神病理 第1回世界精神医学会の報告に関する考察
  Ⅷ 統合失調症の女性患者アンリエット・T. の症例
  Ⅸ J・ウィルシュの「統合失調症の人格」について
  Ⅹ 統合失調症性精神病グループと慢性妄想精神病グループ(人格のヴェザニー性組織化)
  XI 統合失調症グループ
  XII 典型例の臨床的記述
  XIII 臨床型および疾病学的問題
  XIV 統合失調症の発病条件と発病型 初期統合失調症診断の臨床的問題
  XV 進行型・寛解・終末型 統合失調症の予後の問題
  ⅩⅥ 統合失調症性過程の精神病理学的問題と一般的考え方
  ⅩⅦ 統合失調症グループと慢性妄想病グループとの構造的関係に関する結論
  ⅩⅧ クレペリン生誕百周年を迎えてドイツ学派における「内因性精神病」の結論
  ⅩⅨ 統合失調症のグループに関する現在の知見
  ⅩⅩ 統合失調症の臨床的問題
  ⅩⅩⅠ ルイス・B・ヒルの「統合失調症への精神療法的介入」について
  ⅩⅩⅡ マンフレッド・ブロイラーの「精神分裂病性精神障害」について
あとがき
索引